他人の子を愛せるのか、と言われても。

RIKUの記録

他人の子を愛せるのか、と言われても。

地元に戻ってから、何度もを思い出した。

三人でいた時間

見慣れた駅。

いつも通りの景色。

でも頭に浮かぶのは、あの畳の部屋。

アンパンマンのおもちゃが転がっていて、 味噌汁の湯気が立っていて、 小さな手が俺の服を握っていた。

そして彼女。

大変なはずなのに、笑っていた。

一人で全部抱えて、それでも笑っていた。

俺はあの人が好きだと、地元に戻ってから改めて思った。

守りたいのは子どもだけじゃない。

彼女ごと、守りたい。

三人でいた時間が、頭から離れなかった。

だから怖くなった。

またあいつが来るかもしれない。

俺がいないところで。

言われたこと

周りは現実を並べた。

「他人の子だぞ」

「最初は可愛くても、無理になる」

「連れ子虐待、多いぞ」

「他人の精子の子、育てられるのか?」

笑いながら言われた。

「俺には無理やわ」

それも本音だと思った。

「父じゃないくせにって言われたらどうする?」

未来の話。

でも、全部あり得る話。

反論はできなかった。

それでも

正直、分からない。

将来どうなるかなんて。

自分の子ができたらどう思うかなんて。

怖くないと言えば嘘になる。

でも一つだけ、はっきりしていた。

あの三人の時間を、失いたくなかった。

あの子は血の話なんてしない。

ただ俺を見て笑った。

「パァパァ」って。

彼女は一人で背負っていた。

俺はそれを横で見ているだけの男でいたくなかった。

だから決めた。

俺が手伝える環境に来てもらう。

楽じゃない。

周囲の言葉も消えない。

不安も消えない。

それでも、俺は呼ぶと決めた。

好きだから。

RIKUの記録

連れ子と再婚し、父親になるまでの記録。

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